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この記事では、村上春樹小説『海辺のカフカ』とその英訳版『Kafka on the shore』の読みくらべをしながら、英語表現を学びます。
村上春樹作品を読んだことのある方も、そうでない方も、文学を楽しみながら一緒に英語を学んでいきましょう。
★【村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む】第8回目の今日は、前回の続き「カラスと呼ばれる少年」から。
前回の第7回目はこちら⬇︎
【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【7】
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【たのしく英語勉強】村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む【8】
Distance might not solve anything.”
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
距離みたいなものにはあまり期待しないほうがいいような気がするね」
僕はあらためて距離について考える。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:ディスタンス マイト ノット ソルヴ エニティング)
(直訳:距離は何も解決しないかもしれない)
※原作の「僕はあらためて距離について考える。」に相当する文は英語版には訳されていませんでした。
☞ distance:距離
☞ might:〜かもしれない
☞ solve:解決する
☞ anything:何も
The boy named Crow lets out a sigh, then rests a fingertip on each of his closed eyelids and speaks to me from the darkness within.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
カラスと呼ばれる少年はひとつため息をつき、それから指の腹で両方の瞼の上を押さえる。そして目を閉じ、その暗闇の奥から僕に語りかける。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:ザ ボーイ ネイムドゥ クロウ レッツ アウト ア サイ デン レスツ ア フィンガーティップ オン イーチ オブ ヒズ クローズドゥ アイリッズ アンド スピークス トゥ ミー フロム ザ ダークネス ウィズイン)
(直訳:カラスという名の少年はため息をひとつもらし、それから指先を彼の閉じた両方の瞼の上に置いて内の闇から僕に語る)
☞ let out:出す、もらす
☞ sigh:ため息
☞ then:それから
☞ rest on:置く、寄りかからせる
☞ fingertip:指先
☞ each of 〜:〜のそれぞれ
☞ closed:閉じた
☞ eyelid:まぶた
☞ speak:話す、語る
☞ darkness:暗さ、暗闇
☞ within:内に、内部
“How about we play our game?” he says.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
「いつものゲームをやろう」と彼は言う。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:ハウ アバウト ウィ プレイ アワァ ゲーム / ヒー セイズ)
(直訳:僕たちのゲームをやるのはどう?」彼は言う)
☞ how about 〜?:〜はどうですか?
☞ we:私たち
☞ play a game:ゲームをする
☞ our:私たちの
“All right,” I say.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
「いいよ」と僕は言う。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:オーライ アイ セイ)
(直訳:「いいよ」僕は言う)
☞ All right:いいよ
I close my eyes and quietly take a deep breath.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
僕も同じように目を閉じ、静かに大きく息をする。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:アイ クローズ マイ アイズ アンド クワイエットリー テイク ア ディープ ブレス)
(直訳:僕は目を閉じ静かに深呼吸する)
☞ close:閉じる
☞ eye:目
☞ quietly:静かに
☞ take a deep breath:深呼吸する
☞ deep:深い
☞ breath:息
“Okay, picture a terrible sandstorm,” he says.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
「いいかい、ひどいひどい砂嵐を想像するんだ」と彼は言う。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:オーケイ ピクチャー ア テリボー サンドストーム / ヒー セイズ)
(直訳:「よし、ひどい砂嵐を想像して」彼は言う)
☞ okay:はい、よし、わかった
☞ picture:想像する、心に描く
☞ terrible:ひどい、実にいやな
☞ sandstorm:砂嵐
“Get everything else out of your head.”
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
「ほかのことはぜんぶすっかり忘れて」
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:ゲット エヴリティング エルス アウト オブ ユア ヘッド)
(直訳:「他のことは全部あたまから取り除いて」)
☞ get …out of 〜:〜から….を取り出す
☞ everything:すべて、なんでも
☞ else:そのほかの
I do what he says, get everything else out of my head.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4)
言われたとおり、ひどいひどい砂嵐を想像する。ほかのことはぜんぶすっかり忘れてしまう。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:アイ ドゥ ワット ヒー セイズ / ゲットエヴリティング エルス アウト オブ マイ ヘッド )
(直訳:僕は彼が言うようにする、他のことは全部あたまから取り除く)
☞ do:〜する
☞ what he says:彼が言うこと
I forget who I am, even.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4,5)
自分が自分であることさえ忘れてしまう。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:アイ フォーゲット フー アイ アム イーヴン)
(直訳:自分がだれかさえも忘れる)
☞ forget:忘れる
☞ who:だれ
☞ I am:私は
☞ even:〜でさえ
I’m a total blank.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p5)
僕は空白になる。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:アイム ア トータル ブランク)
(直訳:僕は完全な空白だ)
☞ total:完全な、全体の
☞ blank:白紙の、空白の、空虚な
Then things start to surface.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p5)
ものごとはすぐに浮かんでくる。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:デン ティングス スタート トゥ サーフェス)
(直訳:その時物事は浮かび始める)
☞ then:それから、その時
☞ thing:もの、こと
☞ start to:し始める
☞ surface:表面化する、浮上する
Things that ━ as we sit here on the old leather sofa in my father’s study ━ both of us can see.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p5)
いつものように僕と少年は、父の書斎の古い革の長椅子の上でそのものごとを共有する。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p9)
(発音:ティングス ザット / アズ ウィ スィット ヒア オン ジ オールド レザー ソファ イン マイ ファザーズ スタディ / ボース オブ アス キャン スィー)
(直訳:物事 ━ ここ父の書斎の古い革のソファの上に座っていると ━ 僕たち両方が見ることができる物事)
☞ as:〜のように、〜しながら、〜のままで
☞ we:わたしたちは
☞ sit:座る
☞ here:ここに
☞ old:古い
☞ leather:革の
☞ both of 〜:両方の〜
☞ us:わたしたち
☞ can:〜できる
☞ see:見る、わかる
以上、【たのしく英語勉強】村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む【8】はここまで。
マーカーの英語表現は、覚えておくと便利な言い回しです。
今回使われている How about 〜 ? は、相手の考えを聞くときに用いる表現で、日常会話でもよく使われます。
How about you? (君はどう?)
How about Friday? (金曜日はどう?)
など、簡単に疑問文を作ることができるので、会話でとっても使いやすいです。
ひとつずつ知っている単語を増やしていくと、本を読むのが楽しくなりますよ♪
お話は次回の【村上春樹英語版を読む9】に続きます。⬇︎
今日学習したパートはこちら⬇︎
訳なしで読んでみましょう。
Distance might not solve anything.”
The boy named Crow lets out a sigh, then rests a fingertip on each of his closed eyelids and speaks to me from the darkness within.
“How about we play our game?” he says.
“All right,” I say. I close my eyes and quietly take a deep breath.
“Okay, picture a terrible sandstorm,” he says. “Get everything else out of your head.”
I do what he says, get everything else out of my head. I forget who I am, even. I’m a total blank. Then things start to surface. Things that ━ as we sit here on the old leather sofa in my father’s study ━ both of us can see.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p4,5)
分からなかった部分は、上に戻ってチェックしてみて下さいね♪
お話の続き【村上春樹小説英語版を読む9】はこちら⬇︎
【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【9】 【おすすめ】村上春樹 英語版のオーディオブックも一冊無料
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村上春樹の『海辺のカフカ』は世界中で読まれている小説です。
英語に翻訳された『Kafka on the Shore』はニューヨークタイムズ紙で年間のベストブック10冊に選ばれるなど、高い評価を受けています。