【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【31】

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この記事では、村上春樹小説『海辺のカフカ』とその英訳版『Kafka on the shore』の読みくらべをしながら、英語表現を学びます。

村上春樹作品を読んだことのある方も、そうでない方も、文学を楽しみながら一緒に英語を学んでいきましょう

【村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む】第31回目の今日は、前回の続き、第一章の続きから。

前回の第30回目はこちら⬇︎
bridge free【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【30】

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【たのしく英語勉強】村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む【31】

You seek a voice, but what do you get? Silence.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

君が声を求めるとき、そこにあるのは深い沈黙だ。

村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p22)

(発音:ユー スィーク ア ヴォイス バット ワット ドゥ ユー ゲット/ サイレンス)

(直訳:君は声を探し求める、でも君は何を受け取る?沈黙だ)

★ seek:さがす、探し求める、得ようとする

★ voice:声、音、知らせ、お告げ

★ what:何

★ get:受け取る、もらう、手に入れる

★ silence:沈黙、無言、静寂

 

You look for silence, but guess what? All you hear over and over and over is the voice of this omen.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

しかし君が沈黙を求めるとき、そこには絶えまのない予言の声がある。

村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p22)

(発音:ユー ルック フォー サイレンス バット ゲス ワット? オール ユー ヒア オーヴァー アンド オーヴァー アンド オーヴァー イズ ザ ヴォイス オブ ディス オーメン)

(直訳:君は沈黙を求める、でもどうなったと思う?君が繰り返し何度も聞くのはこの予言の声だけだ)

★ look for:さがす、得ようと求める、期待する

★ guess what?:何だと思う?、どうなったと思う?

★ all:すべて

★ hear:聞こえる、聞く

★ over and over:何度も何度も、繰り返して

★ omen:前兆、予知、予言、お告げ

 

And sometimes this prophetic voice pushes a secret switch hidden deep inside your brain.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

その声がときとして、君の頭の中のどこかにかくされている秘密のスイッチのようなものを押す。

村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p22)

(発音:アンド サムタイムス ディス プロフェティック ヴォイス プッシーズ ア スィークレット スウィッチ ヒドゥン ディープ インサイド ユア ブレイン)

(直訳:そして時にこの予言者の声は君の脳の奥深くの隠された秘密のスイッチをおす)

★ sometimes:時には

★ prophetic:予言者の、予言的な

★ push:押す、押しのけて進む

★ secret:秘密の

★ switch:スイッチ、転換

★ hidden:隠された、秘密の

★ deep inside:奥底で、本質的には

★ brain:脳

 

Your heart is like a great river after a long spell of rain, spilling over its banks.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

君の心は長い雨で増水した大きな河に似ている。

村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p22)

(発音:ユア ハート イズ ライク ア グレート リヴァー アフター ア ロング スペル オブ レイン スピリング オーヴァー イツ バンクス)

(直訳:君の心は雨続きの後の、堤防からあふれ出る大河のようだ)

★ heart:心、心臓、気持ち

★ like:…のような、同様な、似ている

★ great:大きい、名高い

★ river:川

★ after:…の後

★ a long spell of rain:降り続く雨、雨続き、霖

★ spell:しばらくの間、ひと続きの

★ spill over:あふれ出る、流出

★ its:その

★ bank:土手、堤防、川岸

 

All signposts that once stood on the ground are gone, inundated and carried away by that rush of water.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

地上の標識はひとつ残らずその流れの下にかくされ、たぶんもうどこか暗い場所に運ばれている。

村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p22)

(発音:オール ザ サインポスツ ザット ワンス ストゥッド オン ザ グラウンド アー ゴーン イヌンデイテット アンド キャリードゥ アウェイ バイ ザット ラッシュ オブ ウォーター)

(直訳:地上にかつて立っていたすべての標識はなくなり、その激しい水により水浸しになりさらわれた)

★ signpost:標識、道しるべ、手がかり

★ once:一度、かつては

★ stood:stand の過去形、立っていた

★ on the ground:地上に

★ gone:go の過去分詞、過ぎ去った、なくなった

★ inundate:氾濫させる、水浸しにする、満たす

★ carry away:さらっていく、洗い去る、夢中にする

★ by:…によって

★ rush:突進、殺到

 

And still the rain beats down on the surface of the river.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

そして雨は河の上にまだ激しく降りつづいている。

村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p22)

(発音:アンド スティル ザ レイン ビーツ ダウン オン ザ サーフェス オブ ザ リヴァー)

(直訳:そして雨はまだ河の表面に降り注ぐ)

★ still:まだ、今まで通り

★ beat down:打ち落とす、降り注ぐ

★ surface:表面、外見

 

Every time you see a flood like that on the news you tell yourself: That’s it. That’s my heart.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

そんな洪水の風景をニュースなんかで見るたびに君はおもう。そう、そのとおり、これが僕の心なんだと。

村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p22)

(発音:エヴリ タイム ユー スィー ア フロッド ライク ザット オン ザ ニュース ユー テル ユアセルフ/ ダッツ イット/ ダッツ マイ ハート)

(直訳:そんな洪水をニュースで見るたびに君は自分に言う、それだ。それが僕の心だと)

★ every time:…のたびに、いつでも

★ see:見る

★ flood:洪水

★ on the news:ニュースで

★ tell:言う、 伝える

★ yourself:あなた自身

★ That’s it:それだ、それだけだ

 

以上、【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【31】はここまで。

博士 マーカーは覚えておくと使える英語表現です。

今回でてきた guess what? は日常会話でもよく使われます。

Guess what? (ちょっと聞いてよ・ねえ、何だと思う?)

話を切り出す時や、相手の注意を引く時に用いられます。

すこしずつわかる英語表現が増えると、本を読むのも楽しくなりますね ♪

お話は次回の【村上春樹英語版を読む32】に続きます。⬇︎

今日学習したパートはこちら⬇︎

訳なしで読んでみましょう。

You seek a voice, but what do you get? Silence. You look for silence, but guess what? All you hear over and over and over is the voice of this omen. And sometimes this prophetic voice pushes a secret switch hidden deep inside your brain.

Your heart is like a great river after a long spell of rain, spilling over its banks. All signposts that once stood on the ground are gone, inundated and carried away by that rush of water. And still the rain beats down on the surface of the river. Every time you see a flood like that on the news you tell yourself: That’s it. That’s my heart.

Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p10)

分からなかった部分は、上に戻ってチェックしてみて下さいね♪

【村上春樹英語版を読む32】に続きます。
bridge free【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【32】

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博士村上春樹の『海辺のカフカ』は世界中で読まれている小説です。

英語に翻訳された『Kafka on the Shore』ニューヨークタイムズ紙で年間のベストブック10冊に選ばれるなど、高い評価を受けています。

海辺のカフカ【英語版】

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