楽しく英語を勉強する方法を探していますか?
この記事では、村上春樹小説『海辺のカフカ』とその英訳版『Kafka on the shore』の読みくらべをしながら、英語表現を学びます。
村上春樹作品を読んだことのある方も、そうでない方も、文学を楽しみながら一緒に英語を学んでいきましょう。
★【村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む】第2回目の今日は、前回の続き「カラスと呼ばれる少年」から。
前回の第1回目はこちら⬇︎
【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【1】
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【たのしく英語勉強】村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む【2】
“Not bad,” the boy named Crow says. “For the time being.”
I give him another nod.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p3)
「まあ悪くない」とカラスと呼ばれる少年は言う。「とりあえずはね」
僕はうなずく。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p5,6)
(発音:ノット バッド ザ ボーイ ネイムドゥ クロウ セイズ / フォー ザ タイム ビーイング / アイ ギブ ヒム アナザー ノッド)
(直訳:悪くない。カラスという名の少年は言う。とりあえずは。僕はもう一度うなずく。)
☞ not bad:悪くない、なかなかよい
☞ for the time being:当分の間、さしあたり、今のところ、とりあえず
☞ give:与える、引き渡す、出す
☞ him:彼に、彼を
☞ another:もう一つの、別の、ほかの
“I’m guessing this isn’t Christmas money from Santa Claus.”
“Yeah, you’re right,” I reply.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p3)
「でもそれは去年のクリスマスにサンタクロースがくれたお金じゃなさそうだね」と彼は言う。
「ちがう」と僕は言う。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p6)
(発音:アイム ゲッスィング ディス イズントゥ クリスマス マニー フロム サンタ クロース / イァー ユア ライト アイ リプライ)
(直訳:「それはサンタクロースからのクリスマスのお金ではないだろうね。」「ああ、君の言うとおりだ。」僕は答える。)
☞ guess:推測する、見当をつける、思う、言い当てる
☞ Christmas:クリスマス
☞ Santa Claus:サンタクロース
☞ yeah:yesの口語、そうだよ
☞ right:正しい、適切な
☞ you’re right:そうだね、あなたの言うとおりだ
☞ reply:答える、返事をする、応じる
Crow smirks and looks around. “I imagine you’ve started by rifling drawers, am I right?”
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p3)
カラスと呼ばれる少年は皮肉っぽく、唇を軽く曲げてあたりを見まわす。「出どころはこのあたりの誰かの引き出し━━というところかな?」
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p6)
(発音:クロウ スマークス アンド ルックス アラウンド/ アイ イマジン ユーヴ スターテッド バイ ライフリング ドロワーズ アム アイ ライト)
(直訳:カラスはにやにや笑ってあたりを見まわす。「君は引き出しの中身を盗むところから始めたんじゃないかな、そうだろ?」)
※日本語原文の「出どころ(物事が出てきたところ)」が英語訳では、「start by 〜ing (〜から始める)」となっています。これは意味の取り違いと考えられます。
☞ smirk:にやにや笑う、あざけって笑う
☞ look:見る、眺める
☞ around:周囲に、あちこちに
☞ look around:見まわす
☞ imagine:想像する、〜と思う、考える、推測する
☞ you’ve:you haveの短縮
☞ start by 〜ing:手始めに〜をする、〜から始める
☞ rifle:くまなく探して(中身を)盗む
☞ drawer:引き出し、たんす
☞ am I right?:そうだろ?、でしょ?
I don’t say anything. He knows whose money we’re talking about, so there’s no need for any long-winded interrogations. He’s just giving me a hard time.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p3)
僕は返事をしない。もちろん彼は最初からそれがどういう金なのかを知っている。まわりくどい質問をするまでもなく。そういう言いかたをして僕をからかっているだけだ。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p6)
(発音:アイ ドント セイ エニシング / ヒー ノウズ フーズ マニー ウィア トーキング アバウト ソー デアズ ノー ニード フォー エニー ロングワインデッド インテロゲーションズ / ヒズ ジャスト ギヴィング ミー ア ハードタイム )
(直訳:僕は何も言わない。我々が話している金が誰の物なのか彼は知っている、なのでまわりくどい質問をする必要はない。彼はただ僕をからかっているだけだ。)
☞ don’t:do not の短縮、〜しない
☞ say:言う、示す、表している
☞ anything:何も、何でも
☞ whose:誰の
☞ we’re:we are の短縮、わたしたちは
☞ talk:話す、相談する
☞ about:〜について、〜のあたりに
☞ there’s:there is の短縮、ある、存在する
☞ no:〜でない
☞ need for 〜:〜の必要性
☞ any:どんな、どれでも、いくらでも
☞ long-winded:息の長い、長たらしい、くどい
☞ interrogation:質問、尋問、取り調べ
☞ hard:つらい、厳しい、硬い
☞ time:時、時間
☞ give 人 a hard time:からかう、困らせる、つらい目にあわせる
“No matter,” Crow says.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p3)
「まあいいさ」とカラスと呼ばれる少年は言う。
村上春樹 『海辺のカフカ』親潮社 (p6)
(発音:ノー マター クロウ セイズ)
(直訳:「まあいいさ」カラスは言う)
☞ no matter:かまわない、とるに足らない、〜と関係ない
☞ matter:問題、事柄、困ったこと
以上、【たのしく英語勉強】村上春樹小説『海辺のカフカ』英語版を読む【2】はここまで。
マーカーの英語表現は、覚えておくと便利な言い回しです。
今回でてきた “Not bad”(悪くない、まあ良い) は日常的にもよくでてきます。
“How are you?”(元気?)
“Not bad”(まあまあだよ。)
のように、挨拶の返事としてもよく使われます。
覚えておくと返事のバリエーションが増えますね。
ひとつずつ知っている単語を増やしていくと、本を読むのが楽しくなりますね。
お話は次回の【村上春樹英語版を読む3】に続きます。⬇︎
今日学習したパートはこちら⬇︎
訳なしで読んでみましょう。
”Not bad,” the boy named Crow says. “For the time being.”
I give him another nod.
“I’m guessing this isn’t Christmas money from Santa Claus.”
“Yeah, you’re right,” I reply.
Crow smirks and looks around. “I imagine you’ve started by rifling drawers, am I right?”
I don’t say anything. He knows whose money we’re talking about, so there’s no need for any long-winded interrogations. He’s just giving me a hard time.
“No matter,” Crow says.
Haruki Murakami 『Kafka on the Shore』Knopf Doubleday Publishing Group(p3)
分からなかった部分は、上に戻ってチェックしてみて下さいね♪
お話の続き【村上春樹小説英語版を読む3】はこちら⬇︎
【たのしく英語勉強】村上春樹 小説『海辺のカフカ』英語版を読む【3】
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村上春樹の『海辺のカフカ』は世界中で読まれている小説です。
英語に翻訳された『Kafka on the Shore』はニューヨークタイムズ紙で年間のベストブック10冊に選ばれるなど、高い評価を受けています。